こんにちは。IT・WEB業界でコンサルタントを担当している丸山です。
2024年を迎えましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか？

さて今回は「昨年の転職市場の振り返り」と「当社が提供できること」をご紹介したいと思います。昨年も弊社の坂井の記事でも同様の内容の記載がございましたが、2022年と比較して市況感やそれに伴うエンジニア採用市場にも大きな変化が見られます。
改めて2023年の転職市場の状況を様々な観点で振り返りながら、弊社コンサルタントがどのように皆様のお役に立てるかをお話しできればと思います。

1：2023年の転職市場について

2023年のIT業界の注目トピック

●外資系、国内大手IT企業のレイオフ
米国の利上げなどをきっかけに2022年から始まった海外有名テック企業のレイオフが2023年も継続し、Amazonやセールスフォースでもさらなるレイオフが実施されました。
また、国内屈指のテックカンパニーの一つで人員削減が報じられるなど、国内でも非常にショッキングなニュースがありました。有名企業・大企業であっても安泰ではなく、状況によってはレイオフや希望退職を募る可能性も考慮に入れて行動することの重要性を認識させられました。

●スタートアップへの投資金額減少に伴う資金調達状況の厳しさ
スタートアップ情報プラットフォーム「INITIAL」によると、国内スタートアップの資金調達額は2022年上半期をピークに2023年は減少傾向にあります。
投資ラウンドの段階を指すシリーズ別の調達動向を見ていくと、中でも安定的な段階であるシリーズD以降はその傾向が顕著に出ており、調達額の中央値が大幅に減少しています。

（出典）2023年上半期 Japan Startup Finance – 国内スタートアップ資金調達動向 –

調達額減少の背景として、2021年末から2022年初めにかけての東証グロース市場の下落があります。こうした背景からスタートアップの企業価値の評価も売上から利益重視へ移行しており、採用においても、ポテンシャル層も含めて大量に採用するというよりも、厳選採用の傾向が強くなっていると感じております。
弊社のもとにもメガベンチャーを中心に採用要件の引き上げや、ミドル・ハイレイヤーのほか、PdM層中心の採用へ方針転換したいという希望や相談が多くなっております。そうした傾向を受け、事業会社を中心に、厳選採用により若手・未経験を中心した方々の選考通過が厳しくなっている印象です。

●フルリモートの減少と週1以上の出社を求める企業の増加
2023年5月8日から新型コロナウイルス感染症が5類感染症へ移行したことより、フルリモートを採用していた企業が減少し、出社日を設ける企業が増加しました。
下記の図からも、フルリモートワークの割合が全体の約6割から約3割に減ったことがわかります。

（出典）株式会社ギークニア 「ITエンジニアとリモートワークに関するアンケート」

週1日でも出社を求めている企業の採用担当者にお話を伺ったところ、フルリモートのエンジニアと出社しているエンジニアではパフォーマンスの差が数値として表れており、ビジネスサイドなど他部署のメンバーと連携した開発を円滑に行うことができているとのことでした。コロナ禍を経て、質問や相談などのコミュニケーションの取りやすさが生産性に大きく影響を与えていると感じている企業が多いと見受けられます。

●生成AIの進化
2023年はChatGPTをはじめとする生成AIの話題が尽きない1年でした。
お会いしたエンジニアの方の中にも、生成AIを活用されているという声をよく耳にしました。開発の生産性向上に大きく貢献しているようです。
今後は生成AIによってできたコードが正しいかどうか、そしてそのコードをどの場面でどのように活用するかを判断できるエンジニアが評価されるかもしれません。

2：転職市場について

2023年もIT業界は採用ニーズが高い状態でした。弊社が昨年転職を支援させていただいた方の職種別で分類すると下記のような割合になります。

特に採用ニーズが高かったのは下記の職種でした。
１：プロダクトマネージャー
２：SRE・インフラエンジニア
３：バックエンドエンジニア

プロダクトマネージャーといっても、開発の知見のあるエンジニア出身の方を求める求人もあれば、マーケティングやセールスなどのビジネス経験者、UI/UX等のデザイナー出身の方もいるなど、幅広いニーズがあり、企業により要件が細分化しています。
SRE・インフラエンジニアに関しては、インフラ設計・構築を行う純粋な意味での「インフラエンジニア」は事業会社を中心に減少傾向にあります。多くの企業では、中長期的なサービス提供を目的としてサービスの安定稼働等による信頼性向上を目指し、インフラ側だけでなくアプリケーション側も含めた改善、開発の知見も広く求められるようになったためです。
そのため、バックエンドエンジニアが運用改善のスキルを伸ばすためにSREにチャレンジしやすくなっている一方で、インフラ設計・構築が中心のインフラエンジニアにとってはSREになるハードルは高くなっていると思われます。
スタートアップを中心に、バックエンドエンジニアにはバックエンド開発だけでなく、必要に応じてフロントエンドやインフラなど、フルスタックに開発ができることが求められています。WEBアプリケーションエンジニアにもビジネス感度が問われる傾向がますます強くなっており、ユーザーへの価値提供につながるプロダクト開発のため、領域を問わずに開発できるエンジニアが求められていると考えられます。

３.当社が提供できること

このように、この1年でも市場に大きな影響を与える出来事がいくつも起こり、転職市場の状況も大きく変化しています。
変化の激しい時期だからこそ、どのようにキャリアを築いていけばいいのかますます迷いが生じているのでは？と思います。
だからといって「何となく不安だけど、よくわからないので行動しない」ということでは先々のチャンスを逃してしまったり、景気の悪化によるレイオフなど、もしもの時に対処できなくなってしまったりする可能性があります。
そのようなときでも先々を見越して、能動的にご自身に合った情報を得ることでリスクを回避できるケースも数多く存在します。

世の中には転職に関する情報や企業の情報はあふれていますが、「自分に合った情報」を選別して得ることはなかなか難しいのではないかと思います。
当社テクノブレーンはエンジニアの皆様の公開情報をベースにお声がけする専門部隊(社内では「サーチ」と呼んでいます)がご連絡し、私のような候補者担当が皆様にお会いしています。
その際、企業の採用背景や事業展望などの詳細情報はもちろんのこと、「ご自身の経験やスキル、志向性、年齢が近い方と数多くお話する中で得てきた情報」をお伝えする機会もあるかと思います。つまり「エンジニア個人目線の情報」と「表には出てこない採用背景や事業の方針などの情報」を当社は収集し、市場を先取りすることにつながる情報を皆様へ日常的にお伝えしています。
このような「個人に合わせた質の高い情報」を得ることで、中長期的な目線で次のアクションを取りやすくなると思います。

以前のブログでもお伝えいたしましたが、以下のような流れで質の高い情報をお伝えしております。
① 経歴ヒアリング
過去のご経験やスキルのほか、入社理由といった意思決定の履歴などを伺います。ご経歴をお伺いすることで、より精度の高い情報提供を行っていきます。
② 現在地の確認
現在の課題や短期的に何をしていきたいのかをお伺いし、どんな環境であれば実現できるのかを一緒に整理していきます。
③ キャリアイメージ、将来像
将来どうなっていきたいのか、②よりも中長期的な目線で目指していきたいところを明確化するためのサポートをいたします。
④ 具体的な企業・案件のご提案
お伺いしたご経歴、課題感、今後のキャリア像などを踏まえご提案を差し上げます。お声かけした経緯に沿った具体的な案件のご紹介はもちろん、皆様お一人ひとりに沿ったご提案もさせていただきます。もちろん無理な提案は致しません。
⑤ 初回面談後の流れ
今すぐの転職は考えていない方とお会いすることがほとんどですので、初回面談後は転職を考えるその時に向けてご準備をどうするかをご提案しています。現在のご経験・スキルがどのように評価されそうか、開発体制や他と比較することで情報収集をされる方や、半年ごとにキャリアの棚卸のお手伝いや情報提供もかねて当社からご連絡差し上げる方など様々です。皆様のご希望に合わせて、どのようにサポートをさせていただくか提案させていただきます。

【最後に】

今回は2023年の転職市場の振り返りと当社のコンサルタントとご面談するメリットに関してブログを書かせていただきました。
転職市場や企業に関する情報はいたるところにあり、自分にとって本当に有益な情報は何か判断していくのがますます大変になっています。そのようなときに「将来どんなエンジニアになって、どんなことをしていきたいか？」を改めて考え、キャリアの棚卸のお手伝いと、や皆様にとって有益な情報提供をさせていただければと思っております。

丸山　春香 ／コンサルタント紹介