2025.06.12
インタビュー
データエンジニアの今とこれから──「どう使われるか」から考えるキャリアの話
こんにちは、テクノブレーン株式会社の蒲谷です。
今回は、データエンジニアのキャリアや、株式会社テレシーの魅力を探るべく、テレシー社の欧陽さんにお話を伺いました。現場視点でのリアルなお話も多く、キャリアを考えるうえでのヒントが詰まっています。ぜひご一読ください!
==目次==
・自己紹介
・データエンジニアのニーズ拡大と背景
・ニーズの拡大に伴うデータ活用が上手くいかない事例
・データエンジニアが大切にしたい視点
・テレシー社におけるデータエンジニアとして働く面白さ
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テクノブレーン/蒲谷 (https://x.com/yuki09163)
テクノブレーンでキャリアコンサルタントとして従事。新卒で大手CVS企業にてエリアマネージャーとして加盟店支援に従事。その後2019年より現職。エンジニアのキャリアの棚卸を行いながら個々にあったスタイルで「転職活動(*)」のサポートを実施。WebやSIer、その他様々な業界のエンジニアとお会いしているが、直近ではデータ領域の方ともお会いしている。
*:職務経歴書の作成やカジュアル面談を通じた情報収集も含め、転職活動と表現しています。

テレシー/ 欧陽江卉 様 (https://x.com/ohyan233)
テレシーでデータサイエンスエンジニアとして従事。 テレシーは運用型テレビCMを軸とした統合コミュニケーション施策の企画から実行まで行う。現在は、顧客に運用型テレビCMのコアであるテレビCM分析プロダクトを提供するために、機械学習アプリケーションやデータ分析基盤の開発、サービス設計など幅広く担当。長くマーケ領域のプロダクト開発に携わっているが、最近は特には「信頼できるデータ基盤の設計」をテーマに取り組んでいる。
データエンジニアのニーズ拡大と背景
蒲谷:早速ですが、業界全体でデータエンジニアの採用ニーズが急増していますよね。SIerやメーカー、医療系など幅広い領域でご相談を受けるようになりました。SaaSのプロダクトが増えたことで事業を通じて莫大なデータを保有する企業が増えたことや、非ITの事業会社でもDXやデータ活用の機運が高まっていること、AI/LLMの技術発展などが、データエンジニアのニーズ拡大の要因と考えています。
欧陽様(以下敬称略): 私も実感しています。背景には大きく2つの流れがあると思っていて、1つは「構造化データの利活用ニーズの拡大」です。クラウドやSaaSの普及で社内データが可視化しやすくなり、「意思決定に使えるデータを整えよう」という動きが強まっています。
もう1つは「非構造化データ活用の広がり」です。ここはやはり、大規模言語モデルが出てきたインパクトが大きいなと感じていて、議事録や営業トークのようなテキストデータをビジネスに活かすニーズが急増しています。いずれも「データをどう使うか」が問われるようになり、エンジニアの役割も進化していますね。
この2つの動きは別々のようで、どちらも「データをビジネスできちんと活用する」という本質的なニーズから来ていて、結果としてデータエンジニアが活躍する場が一気に広がっている、というのが今の状況だと感じています。

ニーズの拡大に伴うデータ活用が上手くいかない事例
蒲谷:そうした傾向が急激に広がる中で、そのスピードに追い付けず上手くいっていない企業のケースもありますよね。例えばデータ基盤を整えても使われない、社内のリテラシー不足など、障壁が多い印象です。
欧陽:最も大きな原因は「データ活用に対する共通認識の欠如」だと思っています。経営層と現場で“データをどう使いたいか”のイメージがズレていることが多いです。たとえば、経営層は「データ活用したい」と言っているけど、実際には意思決定のプロセスにデータが組み込まれていなかったり、現場は「データを見たい」と言っているけど、何のために見たいのかがあいまいだったり。そのまま基盤構築に入っても、実際の活用に繋がらず終わってしまうのではと考えます。だからこそ、エンジニア自身も「何のためのデータ整備か?」を関係者と共有し、合意を取りながら進めることが重要です。
蒲谷:「活用のイメージがある」会社かどうかは、転職先を見極めるうえでも大事ですね。欧陽さんだったらどう見極めをされますか?
欧陽:経営層に近い方から、事業の成長戦略と、その中でのデータの使い方を掘り下げて伺うと思います。経営層と現場で話の内容に乖離があると、警戒するかもしれません
蒲谷:なるほど、参考になります。そういう意味でもプロダクトや組織についてしっかり確認する目線が大事になってきますね。
データエンジニアが大切にしたい視点
蒲谷:ここまで業界全体や企業側の目線を中心にお話してきましたが、エンジニア個人の話に移りましょう。エンジニアの志向性や、それに対する欧陽さんの意見について、最近の事例も交えてお伺いしてもよろしいでしょうか?
欧陽:採用の現場で多くのデータエンジニアとお話しする中で、大きく2つの志向に分かれると感じています。➀技術スタックの選定やパフォーマンスチューニングなど、テクニカルな領域を深めていきたい方と、➁データをビジネスにどう活かすか、意思決定にどうつなげるかといった視点を重視する方です。どちらも大切なスタンスではありますが、特に事業会社においては後者の「ビジネスインパクトを意識できる人材」がより高く評価される傾向があります。過去の例で、社内で見ているKPIやその背景にあるアクションに関心を持って質問してくださる方や、「この設計だと他部門で再利用しづらいので、メタデータ管理から見直したい」と提案いただけた方がいましたが、まさに技術とビジネスをつなぐ視点を持っており、非常に魅力的な方々でした。スキルセットももちろん重要ですが、自分のアウトプットが事業の意思決定や成果にどう影響しているかを常に意識できることこそ、データエンジニアとしてのキャリアを大きく広げていく鍵だと感じています。
テレシー社でデータエンジニアとして働く面白さ
蒲谷:次に、テレシーでデータエンジニアとして働く魅力について教えてください。
欧陽:最大の面白さは、「どうデータを活かすか」まで設計できる点です。創業5年目の若い会社ながら、多様なデータを扱う中で、データマネジメントの設計が非常に重要になっています。たとえば、複数のプロダクトや部署で共有される指標が増える中で「誰が責任を持つのか」「定義は共通化されているか」「不整合が起きたときの対応は?」といったガバナンス設計が不可欠です。
この基盤が曖昧だと、どれだけ整備しても現場で活用されず、組織全体に矛盾が生まれてしまう。だからこそ最近は、整備方針の優先順位や再利用性を意識した構造設計など、より抽象度の高い判断が求められる場面が増えています。
特に魅力なのは、こうした本質的な議論を経営陣と対等な目線で行える環境があること。テレシーの経営層はデータへの理解が深く、「この粒度で事業をどう見るべきか」「どの程度の正確性で意思決定できるか」といった議論を感覚ではなく構造で交わせることができています。
単なる手段ではなく、「どうすれば経営や現場の判断が良くなるか」という視点で設計できるのは、エンジニアとしてだけでなく、事業に関わるやりがいを強く感じられる環境です。
蒲谷:まさしく「データがどう使われるか」まで踏み込み、周囲と同じ目線でデータ利活用に打ち込むことが出来る環境ということですね。普段の業務内容含めて、具体的なイメージをお話いただきありがとうございます。
最後に是非、キャリアに迷われるデータエンジニアの皆様へメッセージをお願いします。
欧陽:データエンジニアの仕事は、ただ仕組みをつくるだけではなく、人や組織の判断や行動をそっと支える、静かな土台をつくる営みだと思っています。 手がけた設計が、誰かの意思決定を助けたり、別のチームで再利用されたり、思いがけない形で活きてくることもあります。
キャリアに迷ったときは、「自分の仕事が、どんな未来につながってほしいか」を考えてみてください。 技術だけじゃなく、人や仕組みとのつながりを大切にできるエンジニアは、どんな現場でも、きっと頼られる存在になれると思います。データの価値を“届ける“ところまでやりきりたい。そんな思いを持っている方がいれば、ぜひ一度お話ししましょう。
蒲谷:ありがとうございました!

まとめ
今回は、データエンジニアのニーズや現場の課題、キャリアの考え方について、テレシーの欧陽さんに詳しく伺いました。
変化の激しい領域ではありますが、「ビジネスインパクトを意識したデータ活用」が一つの鍵であることは間違いないでしょう。もし今の会社でデータ活用がうまくいっていないと感じたら、一度立ち止まって、“共通認識“がチームや組織内にあるかどうかを見直してみてください!
この記事が、今後のキャリアを考える一助となれば幸いです。
テレシーに興味がある方、キャリアの棚卸をしたい方は、ぜひお気軽にご連絡ください。
・株式会社テレシー 欧陽江卉 (欧陽 https://x.com/ohyan233)
・テクノブレーン株式会社 蒲谷優紀 (https://x.com/yuki09163)
Linkedin:https://www.linkedin.com/in/yukikabaya/
メール:Kabaya.Yuki@tebrco.com
テレシー社はデータエンジニアの方を積極採用中です。こちらも併せてご覧下さいませ。
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最後までお読みいただきありがとうございました!