技術者・エンジニアに特化した
スカウト・ヘッドハンティング型転職支援
テクノブレーン株式会社

2018.09.12

コラム

デンソーウェーブが目指すロボットとは?

テクノブレーンは、ETロボコン2018のブロンズスポンサーとして、この活動を応援しています。今回は、そんなETロボコンとからめて、世界でロボット事業を展開している株式会社デンソーウェーブ ロボット事業部 事業部長の金森淳一郎様に、同社のロボット事業の取り組みから、ETロボコン参加者への応援メッセージをいただきました。

株式会社デンソーウェーブ ロボット事業部 事業部長の金森淳一郎様

■デンソーウェーブが目指すロボットとは?

(金森様)
デンソーウェーブが目指すロボットの方向性。それは「使えるロボット」です。デンソーでのロボット開発の歴史は51年目になります。その起源は、自動車部品の量産をどうやって自動化するか? を考えることから始まりました。工場の生産ラインの中で加工技術として実用に耐えうるものを作る必要があったのです。

そのため、デンソーのフィードバックも非常に厳しいものとなります。現場の声に耐えうる品質のロボットを作り上げ、量産の現場で役立つアプリケーションも揃っています。ロボットの精度はもちろん、周辺機器、部品供給にいたるまで高いレベルにあるからこそ、生産の自動化が可能になるのです。

そして、世界の自動車産業の中でダイナミックに成長できる。これが、デンソーウェーブのロボットが他メーカーと違う点です。

■AIにはどのように取り組んでいますか?

(金森様)
ロボットとAIは、関連性が深まっていくと考えています。ロボットは人間の作業を置き換えることに力点が置かれ、発展してきました。それにともない、視覚センサーやIoTなど新しい技術が使われるようになってくると、今後は、飛躍的に扱うコマンドの数が増えてきます。

ロボットに複雑なコンピュータ技術が入ってくることで、複雑なことはできるけれども、今後はロボットを扱う人間が使い方を習得するのに時間がかかってしまいます。それでは、間接費がかかり儲かる工場になりません。

この部分にAIが活用されていくでしょう。思い切ってコマンドの数を減らせれば、簡単に使い方を習得できます。

AIに期待するのは、いろいろな情報から一つの情報を導き出したり、判断したりすることです。
例えば、視覚装置。ロボットが距離を測る場合、照明などの条件が変わればその設定をプログラミングする必要がありました。しかし、AIを使えば、照明の状態が変わっても、ロボットが自分で判断して視覚装置の設定を最適化することができるでしょう。

AIがある程度まで自己判断しながらロボットが動くようになれば、細かいプログラミングが必要なくなるため、間接費が下がります。結果、儲かる工場ができあがります。デンソーウェーブとしては、こういった視点からAIと視覚装置との連携の研究に取り組んでいます。

■今後のロボットには、どのような技術が必要になってきますか?

(金森様)
今後はソフトウェアのニーズが増えていくでしょう。ロボットがさまざまな電子デバイスと接続される中で、臨機応変につなげられるコントローラーが必要になっていきます。もちろん、当然ロボットとコントローラーとセットで欲しいというニーズ以外にロボットメカ部分だけとかコントローラだけ欲しいというニーズもあります。さまざまなニーズに臨機応変に応えていく必要があります。ニーズに合わせたインターフェイスを用意して、カスタマイズが簡単な製品を実現するためには、パワー部門やインバーター部門とも連携する必要があり、トータルにソリューションを提供できる技術が必要になってきます。

■デンソーウェーブを目指すエンジニアへ一言

(金森様)
ロボットのソフトウェアの上流の部分で言えば、インターフェイスが重要になってきます。人間がプログラミングする部分をいかに簡単にしていくか、効率的に情報を処理してコマンドをロボットに送る部分が重要になってきます。

一方、下流の部分で言えば。サーボモーターの制御。微細な動きをリアルタイムで処理する必要があります。この速度の制御にはソフトウェアだけでなく、アナログの制御や機械の動作も理解する必要があります。

このように、さまざまなレイヤーでいろいろな技術が使えるというのがロボット開発の面白さだと言えるでしょう。また、ROS(Robot Operating System)を使ったスピーディな開発にも注目しています。

デンソーウェーブは、デンソーグループの一員として、自動車業界とのつながりが非常に強い会社です。自動車業界は、ガソリンエンジンから電気自動車、そして自動運転など新しい技術が進化しています。新しいクルマを生産する中で、ロボット技術も新しくなり、新しいアプリケーションへの期待値も高まっています。ロボットで新しいことにチャレンジしたい方には絶好の環境です。

■ETロボコンに参加する高専生の方にメッセージを

(金森様)
ロボットは、電気もあれば機械もあればソフトウェアもあるというシステム製品で、非常に面白い分野です。ETロボットコンテスト(ETロボコン)の優勝者や上位入賞者チームの方の中には、デンソーウェーブに入社して活躍している方も多いです。ETロボコンは一人一人の技術レベルの高さも重要ですがチームで頑張る面白さがあります。ETロボコンで腕を磨いて、未来のロボット技術者として活躍するのを期待しています。

記事一覧へ

テクノブレーンについて


Warning: Invalid argument supplied for foreach() in /home/techno-brain/public_html/www/htdocs/wp/wp-includes/script-loader.php on line 2678