2020.04.14

コラム

IT転職市場レポート(新型コロナウイルスが転職市場に及ぼす影響)

◆新型コロナウイルスが転職市場に及ぼす影響

IT・WEB界隈でエンジニアの方のキャリア支援をさせて頂いている高野と申します。

ここ最近はコロナウイルスの影響もあり、生活そのものに対して行動だけでなく考え方も変わった方が多いのではないでしょうか?
私自身もそうで、会社としても個人としてもリモートワークにシフトし、電車通勤も混雑を避けられる時間帯中心の通勤に切り替えたりなどしております。
先だっては弊社坂井もシェアしていた様に、現状の転職市場の状況に関して私からも追加でシェア出来ればと思います。

リーマンショックの時もそうだったのですが、何かしら世界的不況化に陥ると、働き方そのものが変わってきます。
このリーマンショック以降の一番多い退職理由は「会社都合」になります。
端的に言うとリストラクチャリング(リストラ)です。次いで多いのが「労働条件の悪化」となります。
この様な流れを受けて「非正規雇用」や「業務委託」などの就労形態が増え始めて行き、その後の景気好転に伴い去年までの転職市場へと繋がりました(もちろん、他の就労形態もございます)。

こういった流れを受けて、今後のエンジニア採用はどうなっていくのだろうかと市場動向を注視しており、簡単に私見をまとめると下記となります。

1,「業務委託」「フリーランス」の雇止めと単価見直し
2,本当に必要なポジションのみの転職市場形成
3,社会課題解決型スタートアップの社会ニーズ顕在化
4,リファラル採用の加速

この4点が明確になるだろうと私は予測しております。

1,「業務委託」「フリーランス」の雇止めと単価見直し
言わずもがなだと思いますが、ニュースにもなっている通り既に始まってしまっている流れとなります。私の担当するクライアント企業の中にも、苦渋の決断として雇止めをしたところもありますし、聞き及ぶ限りでも複数社あります。
ただこの雇止めに関してご理解頂きたいのは、組織の内製化をする為の雇止めもあるので、それは今回の景気動向とは別物の動きとご理解ください。
あとは景気で業績不安の見通しがあり、スキルに見合った適正単価への見直しも行われているそうです。

2,本当に必要なポジションのみの転職市場形成
元々の潜在的にあったニーズが表に出て、より顕著になってきております。今までは広く企業と候補者様のマッチ度を見ていた企業が、技術のマッチ度の深度を図る様になってきているのが現状です。
エンジニア優位の転職市場から、企業とエンジニアが対等な転職市場となりつつあるかなといった印象を持っております。

3,社会課題解決型スタートアップの社会ニーズ顕在化
コロナの影響もあり、リモートワークが増えたのが一因です。ニュースを賑わしている遠隔診断や休校サポートをするための教育コンテンツのSaaS系プロダクトがこれにあたります。他にもオフラインからオンラインに繋がるサービスを展開している企業にとっても追い風の様で、今までベンチャー企業だと思っていた企業が思わぬ成長を遂げるのが来年以降かなと私自身は想定しております。

4,リファラル採用の加速
市況感から採用NG、そうは言っても良い人なら採用したい企業の方が大多数だと思います。採用経費を大きく割かずに採用が出来るので、現時点でモダンな採用手法がより加速していくと思います。この流れは普遍的に続くのではと思う反面、年齢を重ねていくと人間同士の繋がりが薄くなるのも常なので、ミドルクラス以上の年齢層の方を採用する手段としてはあまり適していないのではないかと考えております。

別軸での話としては、最近だとTwitter転職も盛況ですが、マッチ度が低いのと採用確度が低いので、私としてはこのTwitter転職はポジティブにはみてないため今回は割愛いたします。

また、今後の流れとしてこういったのが出来ると面白いかなと考えているのは企業間での留学制度で、そのような仕組みができていくと市場全体がより活発化していくのではないかと想定しております。
某メガベンチャーではすでに社内副業制度を作ったりしておりますが、私的にはさらにエンジニア留学制度などを作ると良いのではないかと思います。企業間で留学制度を作り、人材交流を図り、リファラル採用の加速させる流れを作ります。
この流れの中にスタートアップも含めれば、摩擦係数の低いエンジニア採用が実現するのではないでしょうか。

色々と書かせていただきましたが、現状リモートワークで業務をされていらっしゃる方が多数いらっしゃることと思います。もし空き時間などございましたら、一度Web会議システムでお話をしてみませんか?
現状に対して色々とご不安に感じられる方も多いと思いますので、ざっくばらんにお話出来ればと思います。

高野 心平(タカノ シンペイ)  
ご連絡先:Takano.Shimpei@tebrco.com

記事一覧へ

テクノブレーンについて