2021.08.12

コラム

IT・WEB企業・案件動向レポート ~2021夏 働き方を添えて~

こんにちは。IT・WEB・ゲーム領域を担当しております吉野です。
以前のレポートから半年ほど経ちましたのでご報告いたします。

【企業・案件動向について】
いきなり補足ですが、今回はトピックス事に資金調達ラウンドに合わせた目安を付けています。
それぞれの段階で採用においては下記のような傾向があります。

1:業界特化型SaaS:シリーズA・B
特に採用ニーズが高いカテゴリーとして、特定の業界向けかつ中小企業に向けたサービス設計をしている企業が上げられます。
特定の業界例:飲食、小売り、医療、介護、行政、教育、建設、製造、物流など
背景に、ユーザー企業のDX化推進にマッチした、業績の好調さが見えます。業界独自の課題に対応した、使いやすさ・導入のしやすさを重視したソフトウェアサービスが事業成長のきっかけとなり、業務効率化の観点で関連する業務へサービス・機能を増やしていく方針を取っています。
採用傾向としては、組織の過渡期にある事が多く、階層構造化・役割の細分化が進み、専門度が高い人材が求められる傾向にあります。
今後は複数事業・サービスを運営する形になり、まだまだ0→1、1→10にチャレンジできる可能性を持っています。

2:ライブ配信関連:シリーズA・B
積極採用をする段階まで事業が成長してきているようです。業界内の競争激化もありつつ、事業の黒字化・黒字化見込など不安定期を抜けつつある企業があります。
トップラインを伸ばすため、マーケティング・営業強化、グローバル展開を進める方針を取っていて、全社的にアクセルを踏み込めるところにあり、急激な成長を経験できる段階になっています。
Unityエンジニアのニーズも発生中です。

xR(AR・VR・MR):アーリー・シリーズA
Facebookが「メタバース」の構築に投資をするというニュースもあり、再注目されている領域です。
数年前から先行投資・注力してきた企業にはライブ配信関連企業も含まれます。

3:事業会社内でのDX化案件:シード(会社としてはシリーズC以降、東証1部上場企業等の大企業
大きく2種類の方向があります。
・情報システム部門の内製化・業務効率化
・新たなWEBサービスの立ち上げ
どちらもまずは上流部分・管理を担える人材の採用を希望する会社が多く、実績と技術の親和性が求められます。
トップ・会社のコミット度合で、プロジェクトとしての難易度は変わるため、見極めが必要な案件です。
一部「コーポレートエンジニア」と呼ばれる営業や社内業務の効率化を推進する役割のエンジニアは実装までをタスクとして募集されることも増加傾向にあります。

4:法人向け事業・新しい技術関連
・AI:アーリー・シリーズA
AI・機械学習を導入したWEBサービスはこれから成長段階。協業もしくはドッグフーディングによりプロダクトの磨きこみを行っているタイミングが多く、コミュニケーション力と専門性が高い人が求められています。
 サービス事例:文章チェック、機械翻訳、感情の可視化 など

・ブロックチェーン・NFT:シード・アーリー
新規サービスの開発立ち上げを今年から行っている企業が見られます。2~3年後にサービスとして定着している可能性あり?

5:法人向け事業・ホリゾンタルSaaS:シリーズB・C

会計、人事、営業・セールス、マーケティングなど業界問わず使われるサービスを運営している企業は引き続き安定成長にあります。リリースしてから時間が経っているサービスもあり、リプレイス・リアーキテクトなどのプロジェクトも発生している。
新卒採用を行っている企業も多く、中途採用に求める基準は高い傾向にあります。
今後は会社全体では新規事業への投資、M&Aによるコングロマリット化や他社サービスとの連携・3rdパーティへの開放等プラットフォーム化に進む方針を取っている事が多いです。

6:スマホゲーム:シリーズC
多人数同時接続型のゲーム、IPを活用したキャラクターゲーム案件が進んでいます。
特に多人数同時接続型のゲームは実況・ライブ配信との相性が良く、積極的な開発が進んでいます。
3D表現前提になっているため、3Dの実績のあるデザイナーのニーズがかなり高まっています。

7:SIer
・中小規模ではAI、データ分析などの領域を専門にしている企業が積極採用中。
・大手SIer:クラウド、ビッグデータなどが採用強化されています。
全体的に案件が少なくなっている等はありませんが、オンプレ・基幹システムの案件での採用は消極的です。

【働き方について】
ゴールデンウイーク明けから60を超える企業にアンケートのご協力をいただきました。ありがとうございました!

フルリモート可とする企業が大多数を占めました。居住地を問わないフルリモートも可能になる一方、緊急事態宣言中は基本在宅とする企業やプロジェクト・チームの状況によって出社・在宅を判断する企業もあります。
今後の方針については未定とする企業も一定あり、まだまだ不安定な状況と言えます。

フルリモート可とする企業が多くなるものの、実際の状況としては出社している方も一定数いるようです。

副業についてはほとんどの企業で「可」となりました。
「申請・条件付きで可」としているところは同業他社の副業がNGになるケースが多く、希望される方は事例を用いて確認するのが無難ですね。

【最後に】
直近半年ほどの採用動向から、業界特化型SaaS、ライブ配信、事業会社内でのDX案件の求人増が特に目立った期間でした。CMなどで見る企業・事業も増えてきたなぁという思いもあり、改めて採用と会社の成長は密接しているなと感じるレポートとなりました。
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 IT業界 担当コンサルタント 吉野 友啓(Tomohiro Yoshino)

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